エバーグリーンでんきは一般的な電気料金メニューとは異なる料金体系を採用しています。そこには注意すべき点、リスクがあるのでこの記事で詳しく解説します。
エバーグリーンでんきとは
エバーグリーン・リテイリングという会社のサービスです。エバーグリーンは東京電力エナジーパートナーと、新電力大手のイーレックスが出資している会社です。
親会社の一つであるイーレックスはバイオマス発電を国内外で展開しており、バイオマス発電の会社として知られています。エバーグリーンはそのイーレックスグループの電力小売部門です。
エバーグリーンでんきのメリット
エバーグリーンでんきのメリットを紹介します。
CO2排出量ゼロの電気を供給
エバーグリーンでんきは2024年4月に実施した電気料金の値上げと併せて、供給する電気の「CO2フリー」化を行いました。家庭向け電気料金プランを中心に、供給する電気のCO2の排出量を実質ゼロとしています。
非化石証書という仕組みを利用しています。非化石証書という証明書を購入すると、その分のCO2排出量をゼロとすることが出来ます。
家庭から排出されるCO2の45.3%が電気に由来するといわれています(出典:JCCCA 温室効果ガスインベントリオフィス) 電気のCO2フリー化することによって、家庭のCO2排出量を一気に半減することができます。
エバーグリーンでんきのデメリット
エバーグリーンでんきにはデメリットもあります。
電気代が高騰するリスクがある料金体系を採用
エバーグリーンでんきは市場連動型という料金体系を採用しています。
市場連動型の料金プランでは、電気の取引価格に応じて電気代が安くなったり高くなったりします。電気の取引価格が下がれば電気代が安くなりますが、上がると電気代も高くなる仕組みです。東京電力や関西電力などの一般的な家庭向け電気料金メニューにはこのような仕組みが無いものが一般的です。
電気の取引価格はしばしば高騰することがあります。例えば2021年1月や、2022年後半から2023年の春先にかけての長期間、高騰しました。市場連動型の料金メニューは、電気の取引価格が安定している時期は電気代が安くなる傾向がある一方、電気の取引価格の高騰が発生すると電気代が大幅に高くなる恐れがあります。
他社の類似プランよりリスクが大きい
こうした市場連動型の料金体系を採用する電力会社が2022年頃から増えています。そのような電力会社の中でも、エバーグリーンの料金体系はリスクがやや大きいです。
一般的な市場連動型プランでは、電気の取引価格を1~2ヶ月遅れで電気代に反映します。しかしエバーグリーンでは0.5~1.5ヶ月後に反映します。反映するタイムラグがやや短く設定されています。
他社のように1~2ヶ月遅れで反映する場合は、例えば電気の取引価格高騰が発生したのを確認してから速やかに別の電力会社に切り替える対応を取りやすいですが、反映のタイムラグが短いとそうした対応を取りづらくなります。
また、1~2ヶ月遅れで反映する料金メニューでは、例えば電気の取引価格が高騰しやすい真冬の取引価格が、春先の電気代に反映されます。電気の使用量が少ない時期に高い取引価格が反映され、逆に使用量が多い時期に安い取引価格が反映されやすいです。しかしエバーグリーンのように反映のタイムラグが短いとそうしたメリットが小さくなる点にも注意が必要です。
エバーグリーンでは2024年春から反映のタイミングを変更しています。