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カブアンドでんきのメリット・デメリット 注意点は電気代! | 評判は?

ZOZOの創業者、前澤友作氏が2024年11月からサービスを開始した「カブアンドでんき(KABU&でんき)」について、メリット・デメリットや注意すべきポイントを解説します。

カブアンドでんきの概要

電気料金のシミュレーション

カブアンドの電気代を各地域の大手電力各社の標準メニューと比較します。世帯人数ごとの平均的な使用条件を設定した試算です。2024年11月分の燃料費調整額を含んでいます。付与される未公開株分は含めていません。

年間節約額1人世帯
20A / 月170kWh
2人世帯
30A / 月348kWh
3人世帯
40A / 月391kWh
4人世帯
50A / 月437kWh
北海道電力エリア
一般家庭向け
-26円-460円-718円-994円
東北電力エリア
一般家庭向け
-26円-345円-603円-879円
東京電力エリア
一般家庭向け
-26円-345円-603円-879円
中部電力エリア
一般家庭向け
-26円-345円-603円-879円
北陸電力エリア
一般家庭向け
-26円-345円-603円-879円
関西電力エリア
一般家庭向け
+3627円+7131円+7796円+8508円
中国電力エリア
一般家庭向け
-24円-343円-601円-877円
四国電力エリア
一般家庭向け
-25円-344円-602円-878円
九州電力エリア
一般家庭向け
+810円+1366円+1320円+1270円

関西・九州以外のエリアでは、電気代が「少し」安くなる料金設定になっています。電気代単体で見ると新電力会社の中では「割高」な水準です。

関西・九州エリアでは大手電力よりも電気代が高いです。燃料費調整額が大手電力より高くなっており、燃料費調整額の部分で電気代が高くなっています。

電気料金のシミュレーション

解約違約金は?

電気を解約する際に解約違約金などはありません。

電気代の支払い方法は?

口座振替とクレジットカード払いに対応しています。

カブアンドでんきのメリット

前澤友作氏の会社が運営 最低限の信頼感がある

カブアンドはZOZO創業者で現在は様々な事業を手掛ける前澤友作氏が代表を務めるカブ&ピースが提供しています。カブ&ピースは2024年9月時点で前澤友作氏と同士の関連会社が株主に名を連ねており、実質的に「前澤友作氏の会社」です。

昨今、様々な投資詐欺が大流行していますが、カブアンドは一代でZOZOという巨大ネット通販プラットフォームを築き上げた前澤友作氏というバックボーンが確実に存在しており、投資詐欺とは一線を画した存在と言えます。

また、電気はエネルギーの大手企業が供給します。関東以外のエリアでは大阪ガスが、関東では大阪ガスと中部電力の子会社であるCDエナジーが供給します。電力自由化で電力会社を自由に選べるようになっていますが、どの会社と契約しても電気の品質は全く変わりません(同じ電線を通って届けられるため) 災害時の復旧なども同じです(同じく、電線はどの会社も同じなので)

サービス利用に応じて未公開株を付与

カブアンドの最大の特徴は、サービス利用に応じてカブ&ピース社の未公開株がもらえる点です。正確にはサービスを利用すると「株引換券」が付与され、その株引換券を種類株式という区分の株式に交換することができます。

未公開株とは、証券取引所に上場していない企業の株式のことです。街なかにある小さな「株式会社」にもそれぞれに株主がおり、その経営者などがその企業の株を保有しています。それらと同じです。

近年、お店での買い物やサービスの利用でポイントを付与するサービスが日本では隆盛を誇っていますが、カブアンドではポイントではなく未公開株を付与します。

付与された未公開株が値上がりする期待も

付与された未公開株は、カブ&ピースの企業価値に伴って株価が上下します。

一般的なポイントの付与では、付与されたポイントは予め決められたレート以上の価値になることは原則ありません。ですが未公開株の場合は企業価値が向上することで1円分の価値が2円にも3円にもなる可能性があります。

前澤友作氏は将来的にカブ&ピース社を上場させる目標を持っていることを2024年11月にTwitter(X)上で明かしています。もし上場が実現すれば企業価値は大きく向上する可能性があります。

市場連動型プランではない

カブアンドでんきの約款を隅々まで確認しましたが、カブアンドでんきは電気代高騰リスクがある市場連動型プランではありません。燃料価格に伴って変動する一般的な燃料費調整制度によって毎月の電気代が変動します。燃料費調整の計算式も各地域の大手電力と同じものでした(大手電力では設定がある「上限」が無い点は注意点→関西・九州は上限が無いことで電気代が割高になっている)

カブアンドでんきは市場連動型プラン?電気代高騰リスクを解説

カブアンドでんきのデメリット・注意点

毎月支払う電気代に注意 要チェック

カブアンドでんきの電気料金は関西と九州電力エリアについては、足元では関西電力・九州電力よりカブアンドでんきの方が高くなるので注意してください(燃料費調整額が異なるため)

また、それ以外の地域でも新電力会社としては正直「割高」と言えます。地域や条件により異なりますが、割安な新電力会社は大手電力より6%以上安いところもあります。一般家庭で年間6千円以上安くなる料金プランも多数存在します。同じ条件でカブアンドでんきは電気代が年間数百円程度安くなるに留まります。付与される未公開株が数倍以上に値上がりすればカブアンドでんきの方が「割安」になりますが、株価の値上がりが無ければカブアンドでんきは電気代が安い新電力より割高です。

他社との比較は料金シミュレーションでご確認ください。

電気料金のシミュレーション

オール電化プランが無い→利用すると大幅に割高に

カブアンドでんきはオール電化プランを提供しません。そのため、オール電化住宅で利用した場合は大手電力各社のオール電化プランと比較して毎月1000円単位で電気代が高くなる恐れがあります。

オール電化プランは深夜に割安な料金単価に設定されており、深夜に大量の電力を使用するオール電化住宅に最適化されています。そのためオール電化住宅が一般的な電気料金メニュー(非オール電化向け)に切り替えると、それだけで電気代が毎月約1600円もアップします(10kVA契約・480kWh使用 東京電力のスマートライフLと従量電灯Cを比較した場合)

仮に付与された未公開株が将来的に10倍に値上がりすればカブアンドでんきが「おトク」になりますが、リスクがかなり高くなる点は留意する必要があります。

オール電化の電気代が本当に安くなる電力会社のリスト | 割高になる会社に注意!

未公開株には値下がりリスクもある

付与された未公開株には値上がり期待がある一方、値下がりリスクもあります。万が一、カブ&ピース社が倒産してしまった場合、未公開株の価値はゼロに近づくことになります。

加えて、未公開株は原則として上場するまでは売却できないとしています。

関西・九州やオール電化住宅のように割高な電気代を支払ってまで未公開株を獲得することはリスクが高いと言えます。

「儲かる」としても何年も先になる

カブアンドで付与される未公開株は、同社が上場するまでは売却できないとされています。

株式の上場への対応には通常3年以上の月日が掛かるとされています。私も以前、上場準備をしていた会社に勤務した経験がありますが、上場に向けた準備が本格化してから実際に上場するまでに7年以上掛かりました。カブアンドピースがかつて無かった仕組みで、また多くの株主を抱えることからも上場への対応には一定の時間が掛かることが予想されます。

加えて、目論見書には「ロックアップ」に関する記述もあります。ロックアップとは新たに上場した企業の上場前からの株主が一定期間にわたり株式を売却しないことを義務付ける契約です。上場後すぐに既存株主が株式を一斉に売却すると株価が暴落する恐れがあるため、このような制限が設けられています。カブアンドについても「ロックアップに関する確約書の提出を要請したときには応じる義務等を含みます」との記載があるため、株主がロックアップの対象となる可能性があります。通常、上場から半年もしくは半年程度がロックアップ期間として設定されます(ロックアップは大株主が対象となることが多いため、少数株主=カブアンドユーザーが対象になるかは不明)

したがって同社の上場が実現するとしてもサービス開始から1~2年の間に実現する可能性は低いと言えます。長い目で見た「長期投資」と認識する必要があります。

沖縄・離島には非対応

沖縄と離島(本土と送電線が接続していない離島)には対応していません。

沖縄で電気代が安いおすすめ電力会社の料金比較表

トクか、ソンか。

条件ソン/トク
関西・九州電力管内ソンになるリスクがやや高い
オール電化住宅ソンになるリスクが高い
それ以外の地域大手電力と比較するとトク
他新電力と比較するとソン
※株価が5倍以上に値上がりすればトク

関西・九州とオール電化住宅では電気代自体が割高であるため、ソンになる可能性が高いと言えます。特にオール電化住宅ではかなり厳しいです。関西・九州では株価がものすごく跳ねた場合は挽回できる可能性があることは否定しません。

それ以外の条件に当てはまる場合は、電気代自体は大手電力と比較して若干安いので「トク」ですが、割安な新電力会社と比較した場合に株価が概ね5倍以上に値上がりしないとカブアンドでんきの方が割高となります。

電気代をしっかり比較しよう

カブアンドに限らず、電力会社をしっかり見直すだけで年間8000円(東京電力管内・30A契約・月300kWhの場合)の節約になります。費用は掛からず、ネットの申込みだけで5分で完了します。

当サイトでは多くの新電力会社の料金メニューを一覧表でわかりやすく比較できるので、参考にしてください。

電気料金のシミュレーション

ガスも

カブアンドはガスの販売も行います。ガスに関する解説は以下の記事で。

カブアンドのガスのメリット・デメリット | ガス料金に要注意!

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