電気料金比較サイトなどで電気代が安いとの試算結果が表示されることが多いシン・エナジー。本当に電気代は安いのか、注意点も交えて解説します。
シン・エナジーとは
電力の販売や再生可能エネルギーによる発電などを手掛けている会社です。温泉を利用した地熱発電は国内でも先進的な取り組みとして注目を集めています。
本社は神戸にあり、三井物産やみなと銀行、オリックスといった大企業から出資を受けています。電力販売に力を入れていた時期もありましたが、近年は軸足をやや再生可能エネルギーの開発にシフトしています。
シン・エナジーのメリット
シン・エナジーの電気料金メニューのメリットを整理して解説します。
条件やタイミングによっては電気代が「安い」
シン・エナジーは条件やタイミングにもよりますが、他の新電力と比較してもかなり競争力がある料金メニューを提供しています。例えば2024年5月分燃料費調整額を含めた料金シミュレーションでは、東京電力エリアではシン・エナジーの「きほんプラン」が東京電力と比較して年間で15000円安いです(30A・月300kWhの場合)
多様な料金プランを提供
シン・エナジーはベーシックな「きほんプラン」の他に、昼間の電気料金が安い「昼生活フィットプラン」や、深夜の料金が安い「夜生活フィットプラン」などを提供しています。
プランは契約後に変更が可能です。シン・エナジーのWebのマイページでは、どのプランを選ぶと電気代が安くなるのか数字で結果を表示する機能があるので、契約後に適切な料金プランに切り替えることで更に電気代を削減することが出来ます。迷ったら場合は「きほんプラン」を利用して、数ヶ月様子を見てからほかのプランの利用を検討しましょう。
シン・エナジーのデメリット
電気代高騰リスクがある市場連動型プラン
シン・エナジーは市場連動型という料金体系を採用しています。
市場連動型プランは電力の取引価格に電気代が連動する料金体系です。電力の取引価格が高くなると電気代が高くなり、取引価格が下がると電気代も安くなります。
東京電力や関西電力の一般的な家庭向け料金メニューには、電力取引価格への連動が無いものが一般的で、代わりに燃料の輸入価格に連動して電気代が上下します。この燃料価格連動もシン・エナジーは併せて採用しています。
例えば東京電力エリアの場合、電力取引価格が11.60円を超えるとシン・エナジーの電気代が高くなっていきます。電力取引価格は通常、10円/kWh程度ですが、2022年には30円を超えたこともあります。このようなタイミングでは、シン・エナジーの電気代が各地域の大手電力会社の料金メニューと比較して大幅に割高になる恐れがあります。
普段は安いシン・エナジーですが、このようなリスクがある点には注意が必要です。例えて言うならば、補償が薄い自動車保険のようなものです。普段は保険料が安いですが、事故が起こると一気に負担が大きくなる恐れがあります。事故は近年何度も発生しており、その点にも注意が必要です。