青汁王子こと三崎優太氏が発表した電力関連サービス「でんき0」。「電気代0円」という強いメッセージから、大きな注目を集めています。
しかし、サービス内容を細かく見ていくと、メリットだけでなく理解しておくべきデメリットやリスクも存在します。本記事では、電気料金や新電力の仕組みに詳しい立場から、でんき0の実態をできるだけ分かりやすく整理します。
結論を先に言えば、「電気代0円」という言葉だけを信じて契約すると、期待外れになる可能性があります。
でんき0とは?サービス全体の概要

でんき0は、三崎優太氏がCEOを務めるとされる「でんき0株式会社」が提供する電力・再生可能エネルギー関連サービスです。
再エネ賦課金や託送料金の上昇によって家計を圧迫している電気代を抑え、「実質的に電気代をゼロに近づける」ことをコンセプトとしています。
一方で、サービス発表時点では約款が確認できないなど、不透明な部分も見られました。ここでは、現在公表されている情報をもとに解説します。
全体を通して注意すべきポイント
でんき0を検討するうえで、特に重要な注意点は次の3つです。
- 電気代が本当に「0円」になる可能性は低い
- 蓄電池は多くの場合、初期費用を回収できない
- 20年という超長期契約を前提としており、事業リスクがある
太陽光発電は条件次第で元が取れることもありますが、蓄電池は日本では「経済的に不利」とされるケースが大半です。結果的に、再エネ賦課金などを払うより支出が増える可能性もあります。
電気供給サービス「くらしゼロでんき」の特徴と注意点
家庭向けの電気供給サービスで、公式サイト上では次のような特徴が紹介されています。
- 毎日12時〜13時の電気代が0円
- 基本料金あり、従量料金は1段階制
- オール電化向けプランの記載は見当たらない
昼の1時間が無料になる点は魅力的ですが、燃料費調整単価や市場連動型プランかどうかが不明なため、実際に安くなるかは家庭によって変わります。
世帯人数が多い場合は大手電力より安くなる可能性もありますが、調整単価次第では割高になるリスクも否定できません。
特に注意が必要なのがオール電化住宅です。オール電化向けプランがない場合、大手電力のオール電化プランと比べて電気代が大幅に高くなるケースがあります。
でんき0FIT(売電サービス)のメリットとリスク

でんき0FITは、国の固定価格買取制度(FIT)を使わず、20年間にわたって余剰電力を買い取るサービスです。初期数年間の売電単価は、一般的なFITより高く設定されています。
メリットとしては、FITを使わないため導入までの手続きが比較的スムーズな点が挙げられます。
一方で、見落とされがちなリスクもあります。
FITを使わずに導入した太陽光発電は、後からFITに切り替えることができません。万が一、サービス終了や売電条件の変更があった場合、想定していた収支が成り立たなくなる恐れがあります。
また、蓄電池を導入することで売電単価は上がりますが、売電収入の増加額は蓄電池の導入費用のごく一部にしかなりません。多くのケースで、蓄電池の初期費用を回収するのは困難です。
さらに、20年という超長期契約は、事業継続リスクも考慮する必要があります。過去には、長期・割安を売りにした新電力プランが途中で終了した例もあります。
でんき0卒FITは蓄電池必須が大きなハードル
卒FIT(固定価格買取期間終了後)の太陽光発電を対象にした売電サービスです。でんき0卒FITでは、同社指定の蓄電池導入が条件となっています。
買取単価は11円/kWhが中心で、卒FITの相場として特別高い水準とは言えません。特に東日本エリアでは、蓄電池なしで同等、もしくはそれ以上の価格で売電できるサービスも存在します。
卒FITをきっかけに蓄電池を導入するケースもありますが、経済性の面では「損になる」可能性が高い点には注意が必要です。
環境価値買取サービスは比較的シンプル
環境価値買取サービスは、自宅の太陽光発電でつくった電気を自家消費した分について、環境価値を0.4円/kWhで買い取る仕組みです。
金額は小さいものの、蓄電池を導入せずに利用できるのであれば、条件次第では検討しやすいサービスと言えます。太陽光発電の付加価値としては分かりやすい仕組みです。
まとめ
でんき0は発想としては非常にユニークで、条件が合えばメリットを感じられる人もいるでしょう。
ただし、「電気代0円」という言葉だけで判断するのは危険です。蓄電池の経済性、長期契約のリスク、オール電化住宅との相性などを理解したうえで、冷静に比較・検討することが重要です。
メリットの裏にあるデメリットとリスクを把握してこそ、後悔のない選択ができます。
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